Buntus Cainte

Ceacht 9

前置詞 ag を使った表現です。この前置詞は前置詞の中で一番頻度が高いと思います。発音は、「アグ」ではなくて、英語の egg のように言えばOKです。

文法

  1. 前置詞 ag と an : この課で習う事では無いのですが、 ag an と続いた場合その次に来る名詞は性にかかわらず Urú 「鼻音化・濁音化」を起こします。ただし、名詞の語頭の子音が t、 d、 s のどれかにあたる場合は鼻音化しません。
  2. 「強い」子音変化と「弱い」子音変化 : まずはおさらいです。語頭の子音変化には二種類ありますね。上のポイントに書いたUrú 「鼻音化・濁音化」と、以前に何度か出てきた、Séimhiú 「軟音化」です。この二種類の変化にはそれぞれ大きく二つのバリエーションがあります。(突き詰めると細部に不規則な点がありますがそれはおいておきます。) 一つは全ての変化しうる子音を変化させるものです。「濁音化」の場合には [p, b, f, t, d, c, g] の七つの子音が変化可能でそれぞれ下の(1)のように変化します。発音は前に現れる音を読めばOKです。「軟音化」の場合には[ m, s ] の音が追加され(計9個)、下の(2) となります。ちなみに fh のスペルは無音を表します。さて、上に有るように、全ての変化可能な音がいつも音声変化するわけでは有りません。上にあるとおり ag an と来た後の名詞は [ t, d ] に関しては濁音化しません。7課で習った sa  は [ t, d, s ] を軟音化させません。これを踏まえて、全ての変化可能な子音を変化させるのを「強い」音声変化[ t, d, s ] は変化させないものを「弱い」音声変化と呼ぶようにします。弱い変化は下の表(3)と(4)の通りです。

(1) 「強い」濁音化:
    [ p → bp,  b → mb, f → bhf, t → dt, d → nd, c → gc, g → ng ]

(2) 「強い」軟音化:
    [ p → ph,  b → bh, f → fh, m→ mh, s → sh, t → th, d → dh, c → ch, g → gh ]

(3) 「弱い」濁音化:
    [ p → bp,  b → mb, f → bhf, t → t, d → d, c → gc, g → ng ]

(4) 「弱い」軟音化:
    [ p → ph,  b → bh, f → fh, m→ mh, s → s, t → t, d → d, c → ch, g → gh ]

因みにこの「強い」、「弱い」という表現はここだけの便宜でなので、文法書とかには無いので、あしからず。

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Ceacht 8

数詞の aon を使った表現です。この課は注意する事が少ないですね。

文法

  1. 数詞の aon : Aonの元々の意味は数字の「1」です。が、疑問文や否定文の中に現れると、英語の any の様な意味になります。日本語で言うと、疑問文内では「何か・誰か」の意味になり(例: 「誰か居ますか?」)、否定文では「誰も・何も」と言う意味になります(例: 「誰も居ません」)。ちなみに発音は「エーン」です。アイルランド語の母音表記はややこしいです。

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Ceacht 7

前置詞 sa を使った表現です。

文法

  1. 前置詞 sa : 英語の in と同義の前置詞に i がありますが、この前置詞と定冠詞の an が一緒になると、 sa となります。絶対に i an と言いません(ただし方言によっては ins an と言う事もあるみたいです)。フランス語の au とかスペイン語の al とかと似たような門です。この前置詞 sa は次に来る名詞を男性名詞・女性名詞関係なく軟音化します。 ただし、t, d, s は軟音化されません。
  2. 「はい」・「いいえ」: アイルランド語には、「はい」や「いいえ」に該当する単語はありません。これはアイルランド語に限らず動詞が文頭に来る言語(例えば、オセアニアにある言葉とか)に良く見られる事だそうです。「はい」や「いいえ」などの返事を言う時には質問にある動詞(と否定を表す助詞)を繰り返します。 An bhfuil ... ? と質問されたときには、 Tá か Níl とだけ言えばOKです。

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Ceacht 6

前の課につづき、ここでは cá 「どこ」を使った疑問文です。17ページで、is ea ・ an ea? ・ ní hea を it is ・ is it? ・ it isn't と訳していますが、実際はもうちょっとややこしいです。これについては別の機会に。

文法

  1. Cá 「どこ」: アイルランド語も英語のように、疑問詞を文頭に持ってきます。この疑問詞 cá は次に来る動詞を従属形にします。前の課ででてきた疑問を表す助詞 an は cá などの疑問詞と一緒に現れることはありません。
  2. 定冠詞 an と女性名詞: 「その女性」と言うとき、定冠詞のあとの子音が bhean と軟音化しています。以前に取り扱いましたが、語頭に「h」が入っていると、何らかの変化が生じた事を示しています。この場合、「(主語か目的語にある)女性名詞が定冠詞をつけると語頭が軟音化する」という文法規則によるものです。したがって男性名詞である buachaill 「男の子」は、an buachaill と軟音化しません。よーく見ると、 cailín 「女の子」も an cailín と軟音化していません。これは、この単語が文法上では男性名詞にあたるからです。

 

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Ceacht 5

ついに疑問文の登場です。ここで摩訶不思議な Dependent form (「従属形」でいいのかな?)の登場です。

文法

  1. 動詞の「従属形」Dependent form: アイルランド語の不規則動詞の一部には、「従属形」と言う特殊な形態があり、特定の場所に現れます。この課ででてくる bhfuil は動詞 Bí の現在形 tá の従属形です文頭にある an は疑問をあらわす助詞で、これが従属形の bhfuil を引き起こしています。とりあえず今は an bhfuil と一まとめに覚えておけば大丈夫です。

つづりと発音

  1. 「bhf」の発音: この「bhf」という冗談みたいな綴りは、「f」が濁音化して、「bh」の音になりましたよと言う意味で、英語の「w」(「太い」音)か「v」(「細い」音)と発音すればOKです。この場合「f」の音はでません。したがって、 bhfuil は「ウィル」と読みます。
  2. 疑問文の助詞 an : CDを聞くと、疑問助詞の an がはっきり発音されていないことに気が付くかと思います。「アン」と言うよりは「ァ」といった感じですね。これは、こう発音しなければダメと言うわけでは無く、別に「アン」と発音してもいいと思います。ただし、ここにあまり強いストレスをおいてはだめです。

 

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Ceacht 4

まだまだ同じ文系が続きますが、ここで1人称と2人称がはじめて出てきます。左ページ下にあるan bhfuil という表現は次の課にでてくるので、ここでは割愛です。

文法

  1. 主語と動詞の人称一致: アイルランド語基本的に人称の一致(英語で三人称単数形主語が来ると動詞に「-s」が付くといった現象のことです。)はありません。日本語を使う人にはこの辺ありがたいです(でもアイルランド語の動詞の変化は思わぬところで複雑になります)。例外的に、一人称の単数・複数形を動詞の語尾の変化させて言い表すことがあります。これは、主にマンスター地方などの南側で見かけられるそうです。もし動詞に -im、 -imid、 -amar などの語尾が見られる場合には1人称の意味があると覚えておきましょう。
  2. 男性名詞の呼びかけ(呼格): 誰かを呼びかけるときには a をつけて名前の頭にくる子音を Séimhiú 「軟音化」すると前に言いましたが、男性の名前を呼びかけるときは、名前の最後の子音を「細い音」にしなければなりません。したがって、「シェーマス」は呼びかけるときには、「ア・ーマシュ」と言った感じになります。初めから語尾の子音が「細音」の場合は何も起こりません。

つづりと発音

  1. S + Séimhiú Sの軟音化: 「S」は「サ・スィ・ス・セ・ソ」か「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」と発音します。前者が「太い」音で後者が「細い」音です。これらの音が軟音化されると(つまり、「sh」とかかれた場合)英語の「h」の音のようになります。厳密に言うと、「太いsh」は普通のhの音ですが、細いときは若干「ヒャ・ヒ・ヒュ・ヒェ・ヒョ」のような音になります。実は、日本語で「ひ」と言うときに発音される子音は「h」の音と全く異なり、これは口蓋摩擦音と言います。

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Ceacht 3

まだまだ文法的には大差ない表現が続きます。単語覚えるしかないですね。

文法

  1. 前置詞と代名詞 (Prepositional Pronoun): アイルランド語では、代名詞的表現が前置詞のあとに来る場合(例:英語でwith him、 on itと言った感じです)、ひとつの言葉で表します。例えば、「私と」とか「あなたと」と言う場合には、 le mé とか le thú とはいわず、liom や leat と言います。これは、すべての前置詞において当てはまり、覚えるしかありません。
  2. 連結詞(Copula)の is : アイルランド語では英語のBe動詞に相当するものが二種類あります。ひとつは前に書いた Bí で、もうひとつが今回取り扱う Is です。この言葉は Bí とは異なり、厳密には動詞ではありません。大まかに言うと Is は不変的な事を表すのに使われ、  Bí は変化しうる事を表すのに使われます。これはスペイン語にもみられます。

つづりと発音

  1. Séimhiú (Lenition、軟音化)の起こる子音: p, b, f, m, t, d, s, c, g は Séimhiúが起こりうる子音(を表すアルファベット)です。他の子音に起こることは絶対にありません。昔は子音の上に点を当てることで表していましたが、現在ではアルファベットの「h」を後ろにつけることで軟音化を表現します。厳密には軟音化には二種類有り、 上に上げた子音のすべてに対して起こるものと、t, d, s には起こらないものがあります。接頭辞 an- は後者に当たります。

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Ceacht 2

第二課の文法内容は基本的に第一課と同じものです。ここにある表現はすべて[動詞-主語-形容詞]と言う形で表されています。

文法

  1. 不規則動詞 Bí: これは英語のBe動詞とほぼ同じ意味合いで使われる動詞、不規則な変化をします。現在形は Tá で否定を含む現在形は Níl です。他の動詞は否定を違う形で表します。
  2. Go + 形容詞: この課にある形容詞にはすべて頭に go という助詞がつきます。この助詞は形容詞を形容動詞に変える働きがあります。英語の‐lyと似ていると思えばいいでしょう(例: quiet ‘静かな’ → quietly ‘静に’)。ここでおさらいをしておくと、形容詞は名詞を修飾して(例:速い車)、形容動詞は動詞、つまり状態や行動を修飾します(例:速く走った)。ここの課にある形容詞はBí動詞の述語になると go を前につけなければいけません。名詞を修飾する場合には go は必要ありません(例:an buachaill maith ‘良い男の子’)。どの形容詞に助詞がつくのか若干不規則なので、助詞と一緒に覚えておくといいでしょう。
  3. 男性名詞と女性名詞: アイルランド語にはフランス語やドイツ語などに見られるように(文法的な意味で)「性」の概念があります。この第二課にでてくる4つの名詞の内、 lá ‘日・日中’以外はすべて女性名詞です。これは、文法を知っていれば判ることで、いつか説明しようと思いますが、今は男性名詞と女性名詞という区分があることを覚えておきましょう。

つづりと発音

  1. 語頭にくる「h」: アイルランド語で語頭にアルファベットの「h」がある時は、その単語の元々の形に変化がおきたと事を示しています。例えば、単数の女性名詞は定冠詞 an がつくと最初の子音がséimhiúを起こします。したがって、 an mhaidin とある場合には、元々の単語の形は maidin です。また、母音で始まる形容詞に上で扱った助詞の go が来ると、語頭に「h」が付きます(例:álainn → go hálainn)。このことを知っておくと知らない単語を辞書で引くときに役に立ちます。

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Ceacht 1

それでは第一課です。タイトルにあるCeachtには「レッスン」とか「課」という意味があります。

文法
ここでは天気・天候の表現を習います。最初の課なんでとりあえずここは覚えるしかないです。

  1. 語順:アイルランド語の語順は「動詞-主語-その他(目的語など)」という事を覚えておきましょう。ということで、 は「~です」という意味の動詞、sé は「彼は」か「それは」と言う意味の代名詞です。したがって、Tá sé ~ は「彼・それは~です。」という意味になります。
  2. 形容詞の強調とSéimhiú:形容詞を強調するときには、形容詞の前に接頭辞an- をつけます。この接頭辞は厄介なことに形容詞の最初の子音を変化させます。例えばgeal 「まぶしい・明るい」は”ギャール”と発音しますが、これにan- をつけると、an-gheal と綴りに「h」が加わり、”アン・ール”と音が変わります。この変化をséimhiú (シェィヴー・軟音化)といいます。英語だとLenition(子音弱化)とかAspiration(気音化)と呼ばれるみたいです。どの子音がどの音になるかは後でもうちょっと詳しくまとめようと思います。とりあえず、fh と書かれていたら「f」の音が消える事と、細い「gh」は「y」の音になる事だけ注意してください。
  3. 「神様」:カトリック教徒の多いアイルランドでは「神様」の絡んだ成句が多いです。例えばDia duit は挨拶に使われますが、「神があなたと共にあらんことを」みたいな意味です。同じようにBuíochas le Dia は「良かったですね」とか「お陰様で」といったニュアンスですが、実際は「神に感謝」と言う意味です。
  4. 呼格の「a:アイルランド語で人に呼びかける時には必ずa と前につけます。これは「呼格」と言い、ラテン語とかにも存在します。この呼格の「a」も名前の最初の子音を変化(séimhiú )させ ます。

つづりと発音
よくCDを聴いて細かい点に気にせず、音に慣れるように心がけるといいかと思います。あと、発音の練習は、あまり綴りを気にせずにCDの物まねをするような感じで。今は母音(とその綴り方)は絶対気にしないことが秘訣です。私も母音はわかりません。

  1. 子音とアルファベット:CDを聴いててアルファベットの「t」に二種類の発音があるのに気がついたでしょうか? は「ー」と発音して英語の「t」と同じです。しかしte は「ェ」と発音して、tirim だと「チリム」となり、英語で「ch」と書いたときのような音です。実はアイルランド語の子音には、「細い」音Caol、英語だとSlender)と「太い」音Leathan、英語だとSlender)という区別があります。基本的に「細い」音は日本語の拗音っぽい音(小さい「ゃ・ゅ・ょ」のついた様な音)と考えればいいです。さて、どうやって見分けるかというと、隣り合っている母音のアルファベット(a,e,i,o,u)を見れば簡単にわかります。もし隣り合っている母音のアルファベットが「e」か「i」なら「細い」音でそれ以外(a,o,u)なら「太い」音です。たとえば、so と綴ると「ソ」と読みますが、seo と綴ると「ショ」と読みます。「e」や「i」は「細い母音」、「a」「o」「u」を「太い母音」なので、この法則をcaol le caol agus leathan le leathan 「細い音には細い音を、太い音には太い音を」と呼んでいます。

色々長ったらしく書いてしまったんで、今日はこの辺で...


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Buntús Cainteの構成

1課につき2ページしかなく非常に単純な構成になっています。

2008_0228_0013左のページは新しく習う単語と表現です。

上に新しく習う単語と句とその英訳が載っています。

真ん中には上にある表現を使った例文が挿絵と一緒にあります

下に応用表現とその英訳が載っています。

2008_0228_0028 次に右のページです。ここでは習った成句・単語をつかった会話があります。

大きな挿絵の上に会話を理解するのに必要な表現が英訳と共にあります。

英訳の下にアイルランド語での会話その下に英訳が続きます。

文法の解説は一切ありません。その代わり何を習えばいいのか単純明快でしかも一度に沢山の事を習うことが無いので、とっつきやすいつくりになっています。


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Buntús Cainteって何?

Buntús Cainte(ブントゥース・カインチェ)とは60年代ごろから出回っているアイルランド語の学習書です。日本語に訳すと、「会話の基礎」とか、「会話の初歩」といったところでしょうか。ちょっと古臭いけど中身はしっかりしていて値段も安いので、今でも人気が高いです。アイルランド語の予備知識の無い人に向けて作っているので、多少の英語が判れば一応誰でも使えます。

 

Buntus_frontpage

 

造りは非常にシンプル(かつ安っぽい)で、現在はCDと一緒に3巻セット(全195課)で値段は25ユーロ程度。litriocht.comとかOideas-Gael(というアイルランド語の学校)内のSiopa Gaeilgeとかを通して買うことができます。残念ながら日本やアメリカのAmazonで買うことは難しいかと思います。あと、60年代にはテレビ番組もあったみたいで、その名残をこちらで見ることができます

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